BonnesNoteプロジェクト

写真右からパイオニア野尻氏、筆者の生形氏、パイオニア若狭氏

ここでは今後3回に亘り、本誌筆者生形三郎氏を迎え
現生「開拓者」の存在意義を賭けたそのプロジェクトの全貌に迫る。


取材・文:生形三郎/写真:弘田充
※Stereo2016年11月号から転載

存在意義を賭けた新たなる挑戦
 

この度、パイオニアから新たなるオーディオ・AV向けブランドがスタートする。その名も「Bonnes Notes」(ボンノート)。その第一弾製品となるノイズフィルター「DRESSING」(ドレッシング)が、ONTOMO MOOK付録として、先陣を切って発進されることとなった。

今回そのキーマンとなる方々にお話を伺ったので、DRESSING 発売に先駆け、まずは「Bonnes Notes」誕生のプロローグをご紹介したい。


そのデザインにも製品への拘りが込められている。今後はHDMI、LAN、スマホ等のインターフェースにも対応を考えているそう。ピュアオーディオをはじめ、あらゆる機器においてその効果が期待できる

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※トライアル版は2016年12月19日発売の「Stereo編 ONTOMO MOOK『オーディオ音質改善の極意』」に付録しています。



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エンジニアのプライドを賭けた5年越しの闘い

パイオニアと聞けば、カーナビから電話機まで、広範な製品を手掛ける世界的な大企業とのイメージがまず思い浮かぶ。その中で、本ブランドを展開するのは、インダストリアル・ソリューションズ部と呼ばれる部署だ。この部は、主に各種ドライブを手掛ける部署で、各社パソコン向けの内蔵ドライブ、レコーダー等のAV用ドライブ、アーカイブ用の業務用ドライブなどを開発するほか、スピーカー類の開発も行なっている。

今回のプロジェクトは、そのインダストリアル・ソリューションズ部で事業管理を行なう、野尻和彦氏から始まったものという。野尻氏は、弩級の物量を誇った同社のプリメインアンプA−717(1987年)など、オーディオ最盛期のパイオニア製品を手掛けたエンジニア。学生時代からステレオ誌を読み耽っていたというオーディオファンである。そんな野尻氏が、現代のオーディオ、そしてAV界に、現生パイオニアの存在意義を賭けて挑戦したのが、ずばりこの「Bonne Notes」ブランドであるのだ。

パイオニア野尻氏



学生時代からのステレオ愛読者であり、投稿して図書券を貰ったりしていたという野尻氏。DRESSINGはPCオーディオ以外のユーザーにもぜひ試して貰いたいと語るその表情からは確かな自信を感じた

 

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「Bonne=良い−Notes=音」を全ての人々に

オーディオやAVを問わず、ファイルやストリーミングベースの再生スタイルが確立された現在、その再生・伝送過程におけるノイズ対策は、欠かせない存在である。その中で野尻氏には、これまでのアンプ設計等で培った技術を活かし、デジタル再生本来のいい音を広く届けたいという思いがあった。ハイレゾやファイルオーディオが火急的に普及する中で、ファイルオーディオを試しては見たものの結局求める音に出会えずファイル再生を敬遠してしまっている方や、パソコンや液晶テレビでオーディオヴィジュアルを楽しむ多くの方々に高音質・高画質、つまりは「Bonne Notes」を届けたいという願いが次第に高まっていったのだという。

パイオニア若狭氏



普段はカーオーディオやスピーカーのデザインを担当している若狭氏。
デザインチームにも抜擢され、女性ならではの目線でDRESSINGの複合的な要素をまとめ上げた期待の新人

 
 
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3割の人が分かってくれればいい

しかしながら、当初ノイズフィルターは社内でことごとく反対にあったという。だが、いい音を届けたい、そして、我々現生パイオニアの存在意義とは何なのか? という問いに正面からぶつかり続けた野尻氏の熱意とプライドは、次第に周囲の人々を動かし始め、構想からなんと5年越しで実現に漕ぎ着けたのだという。自宅で100個近いサンプルを手作りして実験を繰り返し、それを持って社内を個人的にプレゼンして回り、賛同者を得ていったそう。実際筆者が最初に聴かせて頂いたデモ機も、既存のUSBケーブルのコネクタ部分を流用したハンドメイド品であった。まさにこれは、一人の人間が手作りで始めたプロジェクトなのである。

また、お話を伺う中で特に印象的だったのが、野尻さんの次の言葉。「7割の人から合格点を貰うのではなく、3割の人から最高と評価されたい」である。まさにここに、野尻さんが目指す「Bonnes Notes」ブランド自体の存在意義が込められていると言えるだろう。 〜続く

次回からはいよいよDRESSINGの性能にフォーカスしていきます。野尻氏の本部社内での苦労話もこぼして頂きましょう。お楽しみに!


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▼パイオニアのインダストリアル・ソリューションズ部が、その存在意義をかけたプロジェクトを始動。
新ブランド立役者が、その熱き思いを語る。




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